九平次 別誂を飲んでみた【知る人ぞ知る日本酒】

醸し人九平次 純米大吟醸 別誂

みん

サワさん、この間めっちゃ美味しい日本酒発見したってほんと?
ああ、醸し人九平次ね。私が飲んだのは別誂ってやつなんだけど、今日はそれについて話そうか。

サワ

醸し人九平次とは

『醸し人九平次』は、愛知県の萬乗酒造という蔵元で作られた日本酒です。米は兵庫県の黒田庄産の山田錦です。

ちなみに、「醸し人九平次(かもしびとくへいじ)」と読むそうです。「物議を醸す」などでよく使われる「醸す」ですが、元々は「醸造する」という意味らしいです。醸造家を醸し人と呼ぶのってなんかカッコいいですよね。海人(うみんちゅ)みたいなノリなんでしょうか。

そして「九平次」は、萬乗酒造15代目社長の久野九平次(くのくへいじ)さんから取ったものと思われます。

つまり、「醸し人九平次=醸造家の久野社長」ということです。言い方1つでここまで粋な感じになるんですね。

醸し人九平次 純米大吟醸 別誂ってなに?

醸し人九平次シリーズの日本酒は、実は色々ありまして。今回私が飲んだのは名前に「別誂(べつあつらえ)」と付いた1本。

通常版とは別に誂ってるわけだから、何かカッコいいじゃないですか。特別仕様感に惹かれて購入しました。なので通常の「醸し人九平次 純米大吟醸」は飲んでません。いきなり別誂を飲み、こうしてブログを綴ってしまっています。

「そもそも純米大吟醸って何?」という疑問もあると思うので、ざっくり説明しておくと、醸造アルコールが添加されていない純米酒グループの中でも、精米歩合が50%以下のものを純米大吟醸と呼びます。米を削るほど雑味のない味わいになると言われています。精米歩合が50%以下、つまり半分以上を削り落としてしまう純米大吟醸は、日本酒の中でも最高グレードに分類されます。

通常の「醸し人九平次 純米大吟醸」はこの精米歩合が50%なのですが、別誂はなんと35%。醸し人九平次シリーズの中でも特別な作りになっているわけです。

醸し人九平次 純米大吟醸 別誂をどこで知ったの?

この『醸し人九平次』というのは、日本酒好きの中では有名なお酒らしいですね。

私はと言うと、酒好きな知人への贈り物に何か良いものはないかと近所の酒屋に行った際に出会いました。チャキチャキ系のおばちゃんから猛烈なプレゼンを受けたのを覚えています。

  • ミシュラン三ツ星の店でも出されてますのよ
  • 香りがすごく良いから、絶対にワイングラスで飲んでね
  • 日本酒飲める人でコレを嫌いな人はいないはず

みたいなことを滔々と説かれた気がします。贈り物をするのに自分でも味を確かめておかないと、ということで気付いた時には2本お会計していました。

まあ、押しに弱い所が功を奏してこの「醸し人九平次 純米大吟醸 別誂」に出会えたわけです。ありがとう、おばちゃん。

九平次 別誂 の味は?

おすすめの通り、ワイングラスで飲んでみました。香りは確かに日本酒のそれなのですが、なんとなくワインを思わせるような華やかさがありました。

最初の1杯、その1口目はほんの僅かながら微発泡なのに驚きました。味はとにかくフレッシュ感が広がります。青リンゴのような甘味を感じました(公式サイトでは洋ナシやメロンとありましたが…)。

一瞬、「これ日本酒だよな?シードルっぽさもあるような?」という謎の想起がありましたが、後味はすっきりしていて嫌な甘さは残りません。この加減の絶妙さが別誂たる所以なんだと感じました。通常版飲んでねえですけど。

九平次 別誂 の価格は?

何てったって別誂ですので、いいお値段します。

  • 720 ml ¥5,500 税込
  • 1800 ml ¥11,000 税込

ショップや時期によって多少上下はあるかもしれませんが、上記が大体の相場です。

普段スーパーで日本酒コーナーを物色するのが好きでして、720 ml瓶の日本酒は、1,000~2,000円が多いですよね。気の利いたスーパーだと、棚の上の方に箱に入った地酒が3,000円くらいで売られていたり。

そう考えると、「醸し人九平次 純米大吟醸 別誂」はやはり高級品です。その値段も相まって、よく味わっておいしく飲むことができます。

九平次 別誂 はどんな時に飲むのがおすすめ?

スーパーに並ぶお酒ではないし、価格帯もそれらの約3倍程度ということを考えると、まず普段飲み用の日本酒ではないです。普段飲みできる方であれば、こんなブログをダラダラとここまで読み進めている筈がない。

  • お祝いの日(記念日、父の日、母の日など)
  • 大切な人へのプレゼント

上記のようなタイミングで「醸し人九平次 純米大吟醸 別誂」は最高でしょうね。最初の一口で若干の発泡を感じ、飲み進めるとまろやかに染み込んでいく感覚になるので、ハレの日に1本開けてみんなで飲むと盛り上がると思います。

あと、プレゼントとしてもかなり優秀でした。日本酒好きの人であれば「え!あの九平次!?」となります。よく知らない人にも「ミシュラン三ツ星店で出されてるらしいよ。ワイングラスで飲んで。」と受け売りの文句を添えるだけで、その場が盛り上がります。

実際に飲んでも日本酒特有の嫌な臭いや癖は全くなく、初心者から上級者まで万人に好まれる味です。贈った後たいていは数実後、「旨かった」と報告が来ます。

九平次 別誂 はどんな料理があう?

極端な話、合わない料理を探すほうが難しいくらい、旨い日本酒って守備範囲が広いんですよね。しかも、この別誂はワイン感もあるんです。だから日本酒によく合うと言われている和食の他に、イタリアンやフレンチの様な洋食だって合います。すっきりはしてるけど、青リンゴのような甘味と少しスパイスのニュアンスもあるその複雑味から、何なら中華もカバーできてしまいます。

その中でも特に相性が良かったものを、いくつか挙げてみます。

  • アジの刺身
  • 生ハムでクリームチーズを巻いたやつ
  • 牛ヒレ肉のステーキ 醤油とわさびを付けて食べる
  • 黒酢の酢豚

何だか共通点がないですね。それくらい何にでも合うよというのが伝われば幸いです。逆に珍しく全く合わないというのも挙げておきましょうか。

  • カレー(欧風もインドも)
  • 納豆
  • 豚キムチ

そりゃあね、香りが自慢の日本酒ですからね。我が強すぎる面々とは合わないですよ。しかし、そうでもしない限りおおよその料理と上手に調和してしまう味だと思います。

ご自身の好きな食事を並べて一緒に飲むのが最適だと思います。

日本酒豆知識をちょろり

ここまで「醸し人九平次 純米大吟醸 別誂」について、感想などをつらつらと書いてきましたが、ここでちょっとした日本酒の豆知識も少しお話します。

純米大吟醸と純米吟醸って何が違うの?

前述でも少し触れましたが、日本酒にはさまざまな種類があります。まず4つのグループに分けられます。

  1. 純米系 ←醸し人九平次はココ
  2. 吟醸系
  3. 本醸造系
  4. 普通酒

純米酒はその名の通り、米と米麹だけで作られた日本酒です。その純米酒の中でも、精米歩合が60%以下だと「純米吟醸」、50%以下だと「純米大吟醸」と呼ばれます。精米歩合が60%より高かったり、特別な製法で作られているものは「純米」「特別純米」と呼ばれたりします。

精米歩合が低いほど米が磨かれ、高級酒になる傾向があります。今回の別誂もまさにです。磨かれるほど雑味がなく華やかな香りで繊細な味になります。しかしながら、それが正義というわけではなく、精米歩合60%以上の特別純米酒で力強いコクが旨いものがあったりと、多様な面白さがあります。

種類を意識して選びながら、自分の舌に合ったものを見つけましょう。

保存方法は?

いい日本酒ほど発酵が進んで味が変わっていくので、基本は冷蔵庫がおすすめです。「醸し人九平次 純米大吟醸 別誂」は公式も冷蔵庫を推しています。

とはいっても場所をとるので、私は冷蔵庫の中でも野菜室に立てて入れていました。野菜室って通常の冷蔵室よりも温度が高いらしいんですけどね。冷蔵室がパンパンだったもので、仕方がないですよね。

日本酒におすすめのワイングラス

日本酒におすすめのワイングラスって言うのも変な感じですが。志村けんさんも日本酒はワイングラスで飲んでいたらしいので、いいのかな。九平次も推奨しているので、少し真面目に考えてみました。

こんな感じの白ワイン用の薄グラスが1番しっくりきました。ピノ・ノワール用のグラスだと大きすぎて空気に触れすぎなのか、妙にまろっこくなってしまう印象がありました。上記の様な白ワイングラスであれば、広がった香りも十分吸い込めるうえに、口当たりのバランスも良かったです。

まとめ:おじさん受け抜群!醸し人九平次 別誂をプレゼントしよう

お祝い用のお酒や大切な人へプレゼントなんかを考えている人にとっては、「醸し人九平次 純米大吟醸 別誂」はかなり鉄板の1本だと思います。機会があればぜひ。

というわけで、以上です。

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